そしたら

id:hitosyura氏が昨日考えたネタを元に即興でSSつくりやがる。
(´-`)……
地球のみんな、オラに文才を分けt(ry


許可まで頂いてしまったのでうpる。
オチで吹いた。
っていうか自分はさっさとSS完成させないとなぁ。進行速度亀以下だぜ?


霊夢がおらずとも、私たちで抑えきれると思った。
時刻も昼間だし、彼女たちの力も半減しているハズだった。
だから二手に分かれた。


霊夢、妹紅の二人は八雲一家を筆頭とした、宇宙人、萃香、その他諸々の『最凶』パーティーの足止め、あわよくば、殲滅。


紅魔館のやつらは、私こと霧雨魔理沙を筆頭に、咲夜、慧音、妖夢の4人で挑む。
まず咲夜が時を止め、空間を限りなく縮める。
次に妖夢と慧音が、ゼロ距離でスペルカードをぶっ放し、ある程度の動きをとめる。
その後に私の『魔砲』で、トドメまではいかないだろうが、しばらく動けないだけのダメージを与える。
私が考えた中で、たぶん過去一番に最高で、最良。




けど、考えが甘かった。
そう言わざるを得ない。




レミリア・スカーレット
すべての攻撃は彼女の運命によってひるがえされ、


フランドール・スカーレット
すべての守りは彼女の単純な力により突破され、


パチュリー・ノーレッジ
すべての戦略は彼女に見破られ、摘み取られた。




数十分前。
紅魔館に到達し、作戦通りに二手にわかれた。
門を開き、咲夜がスペルカードを発動しようとしたその瞬間。


紅き閃光が、咲夜の腹を貫いた。


人体を貫いたはずのその槍は、そのままの勢いを緩めることなく、咲夜を磔にした。
その一瞬の光景を目の当たりに呆気とられ、そしてそれがレミリアのスペルカードだと気づいた時、目の前には真紅の魔剣が在った。
その一瞬に反応したのは妖夢
神速の抜刀で魔剣を弾き返し、そこからお返しとばかりに弾幕を展開する。
魔剣を放った張本人に弾丸は、しかしその反撃は許されることなく、すべてを回避、あるいは打ち落とされた。
しかしそれが最初からわかっていたかのように、妖夢は弾丸のように敵に突進していた。








視点変更――妖夢――




いとも簡単に避けられた。
わかりきっている。
この程度の弾幕でしとめられる相手ではない。


ならば直接切り伏せればいいだけの話だ。


吸血鬼としてのポテンシャルは私より上とはいえ、まだ技能も技術も未発達。
実戦経験も少ないだろう。
無機質なタイルを蹴り飛ばす。


一瞬だけ虚をつければいい。
彼女が反応するより先に、剣を振るう自信はある。
案の定、彼女は反応しきれていない。


殺った。
しかしそれはかなわず、巨大な火炎弾によって阻まれてしまった。
新手。
しかもこれほどの魔力の圧縮された弾を打ち出せる相手だ。
バックステップ。
しかしそれを読んだかのように襲い掛かる神槍と魔剣は、スペルを宣言する暇すらあたえられなかった。
左右に身体を振り、時には白楼剣で閃光を弾き、後退をしながら必死に避けるが、それも壁際まで追い詰められたところで、終わりを告げる。
とっさに身をかがめる妖夢
そこに放たれるはずの二つの閃光は、妖夢の考えとは裏腹に見当違いな場所を穿った
意外な展開に一瞬、迷う。
それが妖夢の運命を決めた。
ビシィッという嫌な音とともに崩れ落ちる壁。


生き埋めにする気なのか!
壁際から脱出しようと試みるが、突然あらわれた無数の壁によってそれは為し得なかった。


「エメラルド……メガリス…」
まるで紅魔館すらも覆い隠すような勢いで出現する、碧の壁、壁、壁。
そのわずかな隙間から見えたのは、幼い吸血鬼二人と魔女。
それらに立ち向かうワーハクタクと、『魔砲』を放たんと身構える白黒の収集家の姿。


それが、私の見た最後の光景になった。






視点変更―――魔理沙―――




あっという間だった。
半人とはいえ、冥界の庭師を20秒足らずで片付けてしまった。
そのあとはもはや無駄な悪あがきとしか言いようがなかった。
慧音の時間稼ぎで、フルパワーのマスタースパークを放つことはできた。
しかしその攻撃もフランドールが空間を破壊し、パチュリーがマスタースパークの進行方向を無理やり捻じ曲げ、慧音にぶつけるなんてふざけた真似をしてくれた。




一対一(タイマン)なら負ける気がしなかった。
しかし、吸血鬼と魔女のタッグなんて反則にもほどがある。
霊夢側の方も同じようなものだが。


戦況は最悪。
「それで、もう終わりなの?」
幼き吸血姫が問いかける。
「いつもみたいに遊ばないの?魔理沙


出会った頃から変わらない、いつもの口調。
しかし今の私には、それが、ひどく、恐ろしい。
ペタンと床にしりもちをついた。
後ろに下がろうともがいた。
下半身に力が入らない。
全身の震えが止まらない。
唇が、口の中が渇く。


ガチガチガチガチガチガチガチガチガチ。
何の音かと思った。
自分の歯がかみ合っていないだけなのだと、どこか冷静に考えた。
なぜ、自分はここにいるのか。
なぜ、こんな勝算のない戦いを挑んだのか。
どうして自分がこんな事態に巻き込まれているのか。
なぜ他の誰かではなく、自分なのか。
疑問は尽きなかった。




けど一つだけ、バカな私でもわかった。
霧雨魔理沙は、ここで生涯を閉じるのだと。




「今まで楽しかったよ魔理沙
ソプラノトーンのやわらかい声。
目の前には幼い子供の顔。
「じゃ、バイバイ」
そんな死刑宣告も、私の耳には届かなかった。
ゆっくり近づいてくる口も、私の目には映らなかった。
もう、何も…






「で、あきらめるのかい?魔理沙
どこかで聞いた声がした。
どこか懐かしいような気がした。
誰だっけ。


ズドンともドカンともつかないすごい爆発音がした。
その音に気づいたときには、幼い吸血鬼は宙を舞っていた。


呆気。
カラン、コロン、カラン、コロン。
後ろから、下駄の音。
私の目の前に誰かが出てきた。


男。
白髪のその男の表情はめがねの反射も相まって伺えない。
背はそんなに高くなかった。
緑色の和服。
右手には皮製のやや大きめのトランク。
袖から見える手には奇妙な形のアーティファクトを握っていた。
そこから煙を吹いているということは、どうやらそれを使ったみたいだった。


「君は、今、そこで諦めるべきではないんじゃないかな?」
まるで今から世間話でもしようとでも言わんばかりの、やわらかい口調。
知ってる。
私はこの男を知っている。
「……」
やや、驚きの顔を隠せないパチュリー
そして自分のされたことを理解したフランドールは、今にも飛び出そうとしている。
それを抑えているレミリア。しかし意外な登場人物にやや呆気。


「ま、ここは僕に任せてくれないかな」
簡単に言ってくれる。
そうだ。
私が困った時に、いつも傍にいてくれた。
私の、大切な…


「あんた、誰よ」
見た目に似合わぬ、恐ろしいほどの殺気。
また悪寒が襲い掛かる、けど先程じゃなかった。
「僕かい?魔理沙から聞いてないのかな」
困ったなと肩をすくめる。
あくまで、余裕。
どこからそんな自信が出てくるのか。
「じゃあ、自己紹介だ」
だから、私は、こいつが嫌いなんだ。


「僕の名前は森近霖之助。魔法の森で香霖堂っていうお店を経営してる」
このめがね野郎が。