で、リレーSSとかもやってるんですよ

自分の番らしかったのでさくっと自分のパートを済ませてみたり。
つうかぶっちゃけ書くの久々すぎるぜ(´・ω・`)


これより前の文章は今のところミクシ上でしか見れないから
ミクシやってない人には展開が激しくイミフなものになるであろうことうけあい!


でもいいか別に。


「さて…」
魔理沙は溜息を一つ吐いた。
『紫の風邪』という珍しい事象によって、不本意にも紫の部屋へ直通する『某猫の魔法の扉』を携えてしまった寝室から
脇目も振らずに玄関へ向かって外に出ようとしたのだが、
その外にあるはずの見慣れた薄暗い緑が何処にも見当たらず、代わりに視界に現れたのは
見た目的にも雰囲気的にも重く沈んだ図書館だった。
「…まあ、ある程度はわかっていた事だ」
ドアノブにずっと手をかけていても仕方ない。
扉をそのまま開けっ放しにし、今となってはもはや見慣れた赤い絨毯を今日もまた汚していく。
「折角だし、あいつの顔でも見ていくかな」


五分も歩かないうちに、少し開けた場所に出る。
毎日のように訪れているのだ。いきなり何かが劇的に変化するわけでもないし、
第一この図書館がそのような劇的な変化を遂げるような場所ではなかった。
だから正直な話、この図書館の内装には少し飽き飽きしていたところだった。
――ただ一つ、目の前の机で静かに本を読んでいる彼女だけは、多からずとも変化を見受けられるから良いのだが。
「よう、お邪魔してるぜ」
「……またアンタ…こんなに静かに来るなんて、いよいよ本職を改めたのかしら」
パチュリーは目を合わせる程度の事もせずにそれだけ言うと、また本と睨めっこを始めた。
「心外だな。私の本職は最初から最後まで魔法使いだ」
やはり、と言うか何と言うか。相当嫌われているようだ。
訪れる度に『借りる』という名目のかっぱらいを繰り返していれば、嫌われるのも至極当然だが。
だが魔理沙はその事に関しては特に悪いとは思っていない。魔理沙はあくまでも本を『借りている』だけなのだから。
「安心しろ、今日は何も持って行ったりしない。私としても予想外なんだ」
「予想外?」
その言葉でようやくパチュリーがこちらを見てきた。
今度はわざとこちらがそっぽを向き、適当に散らばっている本を読みながら今の状況を簡潔に説明する。


「…スキマの妖怪が風邪、ねぇ」
「おかげで私の家とこの図書館もめでたく開通さ」
「めでたくない」
パチュリーは溜息をついて懐から何か取り出す。
普段からあまり体調が良くない彼女が常備している薬のようだ。その中からいくつかを取り、それを魔理沙に投げ渡す。
「効くかはわからないけど、少しはマシになるんじゃないかしら」
「すまないな、恩に着るぜ」
「早くちゃんとした医者でも呼んであげることね。それから、本は置いてけ」
「…わかったよ」
小さく舌打ちし、パチュリーに見えないように隠し持っていたはずだった本を元あった場所に戻す。
本棚を向きながら視線だけをパチュリーの方に送ると、彼女は既に本との睨めっこを再開していた。
「やれやれ…」
受け取った薬を持っていこうと思い、踵を返す――
「ん」
「あら」
本を抱くように持っている小悪魔がこちらに向かって歩いてきた。
「もうお帰りですか?魔理沙さん」
「ああ、いきなりで悪かったな」
「いえいえ」
にこっと微笑んでくるのでつられて笑顔になるのがわかった。
パチュリーも此れくらいの笑顔を見せてくれればな、などと思いつつ小悪魔とすれ違う。
「そういえばパチュリー様」
後ろから、パチュリーと話をしている小悪魔の声が耳に入ってくる。
「図書館の扉が開いてましたから閉めておきましたけど…魔理沙さん以外に誰か来てたんですか?」
あいつだけのはずだけど………ちょっと待って。閉めた、ですって?」
何やらあまりよろしくない単語が後を追うようにこちらの耳に入ってきた。
心の中で嫌な予感が激しくほとばしる。
あくまで平静を装いながらやや早足で図書館の入り口へ戻る――
「……おい、勘弁してくれよ」
小悪魔の宣言通りに、扉は閉まっていた。
繋がった境界の扉は開けっ放しにしておかないと繋がったままにならない。
一度閉めれば、また別の場所と繋がる。
――つまり。
魔理沙はドアノブに手をかけ、扉を開く。
扉の向こうには何もなく――己の視線を少し下に落とすと、大きな湖がいっぱいに広がっていた。





えーと、次は尖兵さんなのかな。


ここからが 本当の 地獄だ…!(まだ言うかお前は